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ギター趣味人

1000-01-061-6 伝えたいものは・・・なにを弾くか

前項からの続き。

前項では、

ライブで”心の共振”みたいなのを感じると、やめられない」

と書いた。平たく言うと

「受けるとうれしい」

ということだ。


しかし、この「受ける」というのが難しい。

具体的に、何をどう弾けば受けるのか?


何を弾くか

クラスタフリーコンサートで、

最初半年くらい、自分は、主にオリジナル曲を演奏した。

「せっかく人前で演奏するのだから、

 一番自分らしいものを演奏したい」

という考えがあった。


しかし・・・・・・・・・・・・・

受けなかった。

実際にやってみて思ったことだが、オリジナルだけだと、

自分の演奏技術、楽曲の程度では、

聴いている方はつらいかもしれないなと反省した。


それから方向転換した。

オリジナルでなく、みんなが知っている曲を

やることにした。そして、

毎回テーマを変えて違う曲をやることにしてみた。


やってみてまず感じたのは、

よく知られた曲はある程度受けるということ。

自分が観客として聴くときは、

その方のオリジナル曲を聴くのが好きなのだが、

”聴きやすさ”については、

やはり”知っている曲”の方が聴きやすい。

有名曲、スタンダード曲のメロディーはやはりいいものだ。。 

加えて、有名曲を美しく弾くことにチャレンジするのは、

自分の曲を見つめなおすために、

また、技術的な鍛錬のために、プラスになる。


それと同時に思ったのは、

この毎回違う曲を弾くということは、

現在2006年に書いている)だからできることだろう。

昨今はソロギター譜面(自分にとってはTAB譜)

が本当にたくさんでている。

クラスタフリーコンサートの一回の演奏時間は15分。

従い、3~4曲ができるのだが、楽譜は山ほどでてるので、

それらを利用すれば、「ネタはしばらく尽きない」といっていいだろう。 

テーマについては、「女性ボーカル曲」とか、

映画で使われた曲」、「クリスマスにまつわる曲」などといった感じだ。

その時々、自分の気持ちにぴったりくるのを探すのは楽しい


さて、これらのテーマは「選曲にあたってのテーマ」であるが、

実は、裏テーマも自分でつくっている。裏テーマの方は

「何故自分はその曲を弾きたいと思ったか?」

「どんな技術をハイライトするか?」

といった表現や技術上の課題の観点で決めている。


ある日のクラスタフリーコンサートテーマは、

表のテーマ:「スチール弦オープンチューニングスタイルの曲」ということで、スチール弦で演奏し、

テーマ・・「フィンガーピック使って、ピッキングの強弱をできるだけつけてみよう」

とした。


またあるときは、

テーマ:「チャップリンの(作曲した)曲」

テーマ:「ルバートの曲にできるだけ感情を込める」

だったりしている。


他にも

テーマ:「古賀メロディー

テーマ:「自分の日本人としての感情表現を自分自身で確認する」

等など、本当に様々。


そうしているうちに

一番大事なことはわかった。

「自分自身が楽しんで、新鮮さを失わないこと」

だ。



とりあえず、自分としてはこの、どんどん違う曲をやる

というやり方で、しばらくはチャレンジしていきたいと

思っている。



<ちなみに>--------------------------------

なお、この草案を書いたのは2006年。

そのときは、まさしく「どんどん違う曲」

2007年4月まできている。

相変わらず「どんどん違う曲」

を続けているのだが、少し違ってきた。

「今の自分にぴったりだと感じる曲」

というのが、過去弾いた曲のなかから、

みえてくるような感覚を持つようになっている。

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同じ曲を弾く 

1ヶ月に1回のクラスタフリーコンサートで、

自分は「どんどん違う曲」にチャレンジしていると書いたが、

「同じ曲の毎回弾いて、完成度を上げていくことにチャレンジしている」

というスタイルの方もたくさんいる。

というか、むしろこちらの方が普通だろう。

自分のように。違う曲を弾いていては、

一定レベルを保ち続けるのは難しいし、

自分でも思うが、そのうち限界はくるだろう。

月に1回程度であれば、かなりの期間違う曲ばかりをやることはできるが、

それでもいつかは”ネタ切れ”になる。


友達のギタリスト(兼三味線弾き)がインターネット日記で、

「このごろネタ切れ・・」

と書いていた。同じステージに結構な頻度で出演したため、ネタに尽きたと。 


それを読んだとき、同じ曲を繰り返しても、

全く問題になどしなくて、いいのではないかと思った。


散歩趣味という人がいる。

毎日、同じ時間に同じ場所を歩くことを習慣としていて、

それを楽しんでいる。

犬なんかを連れている方などは、とても楽しそうにみえる。

「毎日同じことして、楽しいですか?」

ときけば、

「もちろん!!同じ道でも、毎日違うから!」

という答えが返ってくるだろう。 


演奏も同じと思う。

「同じ曲何回弾いたっていい。

 同じ曲だって、厳密に同じ演奏なんて ありえないんだからさ」

そう思うのだ。 


散歩は毎日同じところを歩く。でも毎日違う。

あるときは道端に咲いている花に心を癒されたり、

またあるときは気温の暑さ、寒さにまいることもあろう。

誰か知人と会うかもしれない。

体調の違いを感じることもあるかもしれない。

同じ道を歩いていても、厳密には同じ日はありえない。


毎日の散歩趣味の人はその違いを楽しめる方だ。 

演奏も同じだ。毎回違う。

それらを楽しむことは、十分楽しいと思う。


アンドレス・セコビアから

先日購入したアコースティックギターマガジンに載ってた

吉田次郎氏(ジャズギタリスト)の言葉が面白かった。

//////////////////////////////////

昔、アンドレス・セコビアのクリニックに参加したことがあって、

ものすごく感動したことがあるんです。

クラシック・ギター大家で、さぞ大変なことを言うのかと思ったら、

80年くらい毎日同じ曲を弾いていると、

その日によって気分は違うし、毎日同じように弾くことは出来ないけど、

それで当然なんだと。

音楽は自分の聴ける音を弾くことが一番大切だと言うんです。

//////////////////////////////////(吉田次郎氏談)


納得の言葉だ。 

同じ曲弾くとしても、違う曲弾くにしても、

セコビア氏のように「自分の聴ける音を弾く」

ことを大切にしていきたい。

自分の聴ける音はきっと毎日違う。

同じ曲であってもそう思う。

であれば、それでも毎日ギター弾くのは楽しめるだろう。

セゴビア氏のように。 

「毎日の散歩をするみたいに、ギターを楽しんで続けていく」

そんな風にギターと付き合っていきたい。


「今の自分」を伝えたい

本項では、「伝えたいものは・・・何を弾くか」について書いてみたが、「何を弾くか」については、結局「何弾いてもいい」という内容になった。読み返してみても、そうだよな、と思えてしまうので、正直な気持ちだ。

なんか答えになっていない気もする。

では、その上も伝えたいものは? ・・・こちらも答えは難しい。

でもいってみれば、「今の自分」かなと思う。

どんな曲を弾くにしろ、真っ白な白いキャンバスに今から筆をいれるように、新鮮な自分を演じたいと思う。