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ギター趣味人

1000-06-20番外コラム-6  万年筆

今回の番外コラム万年筆について。


自分は ”道具”といわれるものが好きだ。

道の為の具。

もちろん仕事でのもの、つまりプロの道具が

まずもってイメージされるが、趣味においても

スポーツの道具、文房具、そして楽器などがあたるだろう。

「自分を表現するためのもの」

であり、それが感じられると愛着が沸く。

そして、長く使えば使うほどさらに

その愛着が増してくるものだ。


自分にとって「道具」というと、

もちろん、ギターが頭に浮かぶのだが、

もうひとつ仕事パートナー

文書作成のパートナーとして

万年筆も大変愛着をもっている。

道具としてみると、仕事で使う分、

ギターより万年筆の方が接している

時間は多い。


本書は、ギター趣味人であり、

ギターに係わることを書いているのだが、

同じように好きな万年筆を番外コラムとして

書いてみようと思う。


どんな道具が好きか?

道具といっても、いろいろなものがある。

自分は、どのような道具が好きか?

子供のころ、宝物だったのはグローブ

球がとりやすいようにと、

一生懸命ワックスを塗ってやわらかくして、

自分の型にした。

そして、それを使い込んでいくと、

まるで自分の手そのもののように

感じるようになったことを

覚えている。

自分はこのような道具が好きだ。


いま、こんな感じをもって接しているのは

もちろんギターなのだが、もう一つが万年筆だ。

手入れをする、というわけではないのだが、

グローブが、

今日もいい天気だ。外へ飛び出そう」

という気持ちをいつも持たせてくれたように、

かっこいい万年筆は、

「なんか書こうかな、書きたい」

という気分にさせてくれる。


もちろん、

「いまさら手書きなんて、はやらないだろう」

と思うし、

「大量に速く文章を作るのは、パソコンの方がいい」

これは、事実だ。


でも、万年筆は、文字を綴る道具だが、同時に、

「個性を表現するための道具」

なのだ。

この言葉は、インターネット

万年筆製作者の方が書いていた表現なのだが、

共感している。

「下手というのは、それだけで個性的。

 だから、下手な人ほど、万年筆を使ってほしい」

とのこと。


万年筆の思い出

2008年の今、自分は万年筆を使い始めて

もう10年以上だが、

2002年冬から2007年夏まで、

およそ5年間、5千円以上する万年筆

を使うのを封印した。


2002年の冬、出張先でインフルエンザに倒れ、

一人でホテル養生する羽目になった際、

使い込んでいた万年筆をなくしてしまったのだ。


出張から帰任後、

出張先のお客様や宿泊した何件かのホテル

その他思い当たるところすべてに

電話して問い合わせまでして探したのだが、

残念ながら結局でてこなかった。


実はその万年筆は、両親から、

自分が会社で昇進した際、

贈り物として、いただいたものだ。


本当に大事なものをなくしてしまった・・・


その後しばらく、ノートを取る時、

ふとそのことを思い出し

寂しい気分になるといったことが続いた。


その気持ちから、

「高い万年筆はもう使わない」

と決めてしまった。

代替がないものを使ってしまうと

それがなくなった際、つらい思いをする。

もう、そんな気持ちになりたくない。

そう考えてしまった。


そして、その気持ちが癒えるのに5年かかったと

いうことだ。


昨年(2007年)、自分はちょっと

会社で昇進させていただいた。

その機会に、もう一度大事に使う1本を購入した。

今大事に使っている。



自分のスタイル

買ったのはパイロットキャップレス万年筆


自分は会社で使うので、ノートをとったり、

メモをとったり「ちょっと書く」ことが多い。

つまり、

「書いている途中で、しばらく筆が止まる」

ということが多い。


これは、万年筆の使用には向かない。

万年筆キャップをつけたり

外したりが頻繁になるのは、けっこう億劫

感じるものだ。


例の、なくしてしまった万年筆は、

あまりに頻繁に開閉をしたため、

キャップの締めが甘くなってしまい、

1度修理に出した。


キャップレスでは、押し出し式のボールペンのように

ペンのペン先が、反対側を押してやることででてくる。

書かないときは、ワンプッシュで、ペン先

ひっこめておけばいい。

なので、今では外出先の移動中でも使っている。


移動中での使用の場合、

万年筆ではどうしても

キャップを外す」

という動作が必要で、これが億劫だし、

キャップを落としそうな気もして

実行できずにいた。

しかし、キャップレス万年筆

この懸念は完全に払拭され、

ボールペンのような感覚でかつ、 軽い筆致」

という環境を、外出先でも得ることが出来るようになった。


現在

「いつでも、できるだけ書く」

「ONとOFFの切替をすばやく」

書けている。

そして、これは、今の自分の仕事上の、

コンセプトになっている。



以上のように、

とても便利に使えているキャップレス万年筆だが、

ひとつだけ、満足でない点もある。


それはペンの重量バランス

このキャップレスは、結構重いのだが、

この重さ自体はあまり気にならない。

むしろその自重で最適な筆圧が得られるような

感覚が悪くない。


ただ、重心が自分としてはちょっと

ペン先側過ぎの感がある。

もう少しペン先と反対側に

重心がきてくれるといい。

場所で言えば重心がちょうど親指の付け根の

ペンを支えるところくらいに

なってくれると、その後ろ側の

重さにより、筆圧が軽く感じる。

その感覚が自分としては好きなのだ。


しかし、これも過ぎるとだめで、

例えばラミーサファリは、

自分としては、キャップをつけて使うと、

重心が後ろ側にきすぎてしまい使いづらい。

(また、キャップを外すと、後ろ側が軽すぎとなってしまう。)


安い万年筆では、ペリカンジュニア向けのが

バランスがちょうどよかった。


ただ、このペン先側に重心があるのは、

持ち歩いて、立って使うようなシチュエーションでは

持った右手の中に重心が入っていて、

「落としにくい」感じがして

使いやすい。

従い、先にあげた、

メモを軽い筆致で」

というニーズを満たしてくれる点において、

至極満足している。


つまり、このキャップレスペンは

「速く、便利に」

という自分のニーズにはベストマッチだ。

しかし、

「美しく書きたいときに使う一本」

にはいまのところなっていない。


これは、今現在の自分のギターの状況と

いっしょなのかもしれない。


ヤマハサイレントギターを使っているが、

夜でも弾くことが出来るし、

軽いし、便利さということでは

至極満足している。

でも、生ギターで、

「自分の最も好みの音が出る1本」

というものが欲しい、というのが

今の自分の状況だ。


欲は尽きない。


ギター万年筆も、

「自分にとっての究極の1本」

というものにめぐり合いたいものだ。


ということで、次の章はそのギターについて

書いていきたい。